大統領師匠vol.10『AMERICA』
…思い起こせば…
2010年。
相棒の遊佐と「とりあえず一回」やってみようと立ち上げたユニットが、まさかまさかで第十回公演を迎えるようになりました。
当時「なんかやろう」というザックリとした志だけを胸に公演を打つ事を決め「中田が作と演出を・遊佐がツッコミを」というこれまたザックリとした縛りだけでスタート致しましたユニットです。
当初はユニット名を「大統領師匠」か「新小池徹平」のどちらにしようかどうしようか悩み、結果、結成前から無駄な敵を作る事は止めようと半ば消去法で決まった、大統領師匠と言う名前…。
そして大統領とついているからと言うだけで、ただ、それだけの理由で決まった第一回公演名「アメリカ」…。
大統領ならアメリカでしょうという安直極まりないセンスで、我々は小劇場界という大海原に泥の小舟で乗り出したのであります。
稽古場の取り方や稽古スケジュールの組み方からなにから、どうすればいいか右も左もわからなかった我々は(今思えば台本の書き方すら知りませんでした…)、劇団の先輩・友人・知人の力を総動員し、どうにかこうにか上演した舞台でした。
が、やってみると上手くお客様に笑って頂く事が出来ず、コント公演にもかかわらず一番評価された作品がホラーだったりと悔しい思いもしましたが、中々どうしてどうしてこの時に感じた微妙な達成感を忘れる事が出来ずにそれから年に一回公演を打ち続ける事になるのです。
3回やれたら良い方だねと思っていたのに、こんなにもやるなんて人間やってみなきゃわからんものだなぁとホント思います。
どうしようもなく馬鹿馬鹿しいギャグ・シュールでブラックな笑い・風刺・時にはホラーテイストも交え、作り続けた短編作品達。今思うと第一回の公演からだいぶテイストもシステムも変わりはしましたが、書く上で大切にしているモノはずっとブレてはいません。
「老若男女が笑顔でニコニコ楽しむ事の出来る惨劇」これが僕の作品の根幹であります。
そんな作品達は、今後もきっと増え続けて行くことでしょう。
そんな作品達を、遊佐はツッコミ続けることでしょう。
その内の1作品でも皆様が実際に劇場で見て下さって、記憶に留めて下されば幸いです。
我々の作品を心から気に入ってらっしゃる方が何人くらいいるのか、正直な所さっぱりわかりませんが、0じゃないだろう、きっと4~5人はいるだろうと信じて、これからも我々は作品を作り続けます。
大統領師匠は「中田が書いて、遊佐がツッコム」ユニットです。
【日時】
2019年3月6日(水)~3月10日(日)
【場所】
阿佐ヶ谷シアターシャイン
【脚本】
中田 真弘(大統領師匠)
【演出】
熊坂貢児(smokers)
【CAST】
遊佐邦博(大統領師匠)
長尾長幸(劇26.25団)
高畑亜実
竹内尚文(少年社中)
島田雅之(DARTS/かはづ書屋)
道井良樹(電動夏子安置システム)
小林愛里
小林和也
大和田あずさ
他
【STAFF】
照明:川口丞(キングビスケット)
音響:ナガヤマドネルケバブ
舞台監督:松谷香穂
宣伝美術:川本裕之
写真:宮嶋みほい
制作:神崎ゆい(ゆめいろちょうちょ)